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地上デジタル放送を考える - 第一回 地上デジタル放送のメリットとは? -

エントリー数が100を超えた記念と言うことで、久々に特集記事でも始めようと思います。何をテーマにしようか考えていましたが、地上デジタル放送を採り上げることにしました。

既に三大都市圏では本放送が開始されている地上デジタル放送ですが、果たして何をもたらすのか何回かに分けて考えていきたいと思います。第一回は地上デジタル放送のメリットについてです。
一般に地上デジタル放送のメリットと言うと視聴者にとってのメリットが強調されますが、視聴者にメリットがあるから地上デジタル放送に移行するわけではありません。他の目的があるから導入される訳で、視聴者にとってのメリットは副次的なものに過ぎません。視聴者だけでなく他の角度から見たメリットについても触れて行きます。

視聴者にとってのメリットについては、既に地上デジタル放送をご覧になっている方もいると思いますしご存知の方が多いかなと思いますが、簡単に以下のようなメリットがあります。
  • 高画質・高音質
  • EPG(Electric Program Guide; 電子番組表)
  • データ放送
  • 双方向性(インタラクティブ)
  • モバイル放送
視聴者についてのメリットを書きたい訳ではないので簡単に触れるだけにしておきますが、一番のウリと言えば高画質・高音質と言うことになろうかと思います。

技術論については次回以降に触れたいと思いますが、地上デジタル放送を視聴すれば高画質が堪能できるかと言えばそうではありません。高画質を実感する為には、ハイビジョン放送(HD)をハイビジョン対応テレビで視聴する必要があります。テレビの問題は置いておくにしても、NHK以外の民放各局ではHD放送は極めて少ない状況にあります。サイマルキャスト(デジタルとアナログの混合放送)である限りにおいては、HD放送が大幅に増えることは期待薄でしょう。

仮にHD放送が増えたとしても、高画質・高音質を求める人が多いのかは疑問です。テレビは映ればいいと思っている人も多いでしょうし、画質云々よりコンテンツの方が重要だという意見もあるでしょう。画質以外のメリットもありますが、それほどインパクトがあるものとは思えないですし、視聴者にとってのメリットを地上デジタル放送への移行の理由とするのは無理があるように思えます。

そもそも、地上デジタル放送への移行を行うのは国策な訳ですが(関連する法律もありますし)、そこまでして行う意味は疑問符が付きます。色んな意味で大事業なので、国が旗振り役になる必要はあるでしょうが(その割には、現状はあまりに無策すぎるのですが)。

是非はともかく、目的としては周波数帯再編があるでしょう。地上デジタル放送に完全移行すれば現在のVHF帯が空くことになりますから、その分を他に割り当てることが出来ます。携帯電話の新規参入問題で一悶着ありましたが、現在でも周波数帯割り当てには苦労しているのは事実でしょうから(都会と地方では状況が異なると思いますが)。今後、新たに割り当てなければいけない機器が出てくるのは間違いなく、テレビだけに広大な周波数帯を割り当てられないと言うのが(名目上の)理由なのでしょう。

では、テレビ局側のメリットとは何でしょうか?いくら国策とは言え、全くメリットのないことに取り組む訳はないでしょう。インタラクティブ性などは、テレビ局にとっても視聴者の反応をすぐに知ることが出来るというメリットがありますが、これだけではペイしないでしょう。テレビ局側の狙いは、デジタル放送を機に新しいルールを導入することにあります。

1. 強固なコピープロテクト技術の導入
現在、デジタル放送はコピーワンス番組になっています。番組をDVDメディア等に録画する時はCPRM(Content Protection for Recordable Media)に対応した機器及びメディアが必要であり、またそのメディアを再生する際にもCPRMに対応した機器が必要になっています。

また、CGMS-A(Copy Generation Management System - Analog)信号を無視して適切(現状ならコピーワンス)な処理をしない機器が出てくることを防ぐ為、デジタル放送の視聴にはB-CASカード(BS-Conditional Access Systems Card)が必須になっています。

B-CASカードは、株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズが独占しています。この会社はデジタル放送事業者の共同出資によるもので、デジタル放送が普及すれば自動的に潤う仕組みになっています。まさに利権の温床とも言えるものです。

更に、B-CASカードはNHKの受信料徴収には利用しないことになっている筈ですが、実際はテロップを消す為にはNHKへの連絡が必要で、その際に個人情報の確認を行います。確かに、受信料を払わずにテロップを消させることも可能なので(やり方は書きませんが)、受信料徴収を強要しているとは言えないのですが。エビ様(と政治家)にとっては公約は無視するもののようです。

色々言いたいことはありますが、視聴者にとっては確実に不便になる上に、利権を確保しようとはとんでもない話です。テレビ局はただでさえ護送船団で保護されている訳ですから。護送船団は得てしてユーザーの利益に反することを当たり前のように行いますが、強烈なしっぺ返しにあうことは過去に証券業界や銀行業界が証明しています。

2. 区域外再送信の禁止
今でも、民放(地上アナログ放送)をCATVで見ている世帯は結構あると思いますが、地上デジタル放送へ移行するとその世帯数が大幅に増えるものと予想されています。CATVと契約する理由としては、難視聴地域だからという理由もあるでしょうが、より多くのチャンネルが見たいと言う理由もあるかと思います。特に、民放テレビ局の少ない地方では、近県の民放テレビ局が見られるというのが大きなメリットになります。

ところが、地上デジタル放送では区域外再送信は許可しないというスタンスを取ろうとしています。理由は「視聴率」の為です。

視聴率調査の対象は直接受信だけでなくCATVも対象になっています。地方の場合、テレビ局は県ごとのエリアになりますが、CATVで他県のテレビ局を見ているとその分はカウントされません(「その他」扱い)。「その他」の占める割合が少なければ問題ないのでしょうが、これがあまり高くなると地元のテレビ局にとっては厳しい状況になります。

しかしながら、視聴者にとってみれば、何故アナログ放送だと良くてデジタル放送だと駄目なのかという理由にはなっていないでしょう。更に、CATVの場合、料金の対価として多くのチャンネルが見られるというのが契約の前提だと思います。電波が届く届かないは契約者にとっては何の関係も無いことでしょう。

その他のメリットとしては、マルチチャンネル化できるというのもありますが、恐らく民放テレビ局にとってはメリットどころかデメリットになってしまうでしょう。チャンネル数の増加を広告料収入の増加に繋げられるかにかかっていますが。

結局、デジタル放送を機に導入する新しいルールというのは、現状のビジネスモデルを死守し変化を徹底的に拒むのが目的になっています。しかし、放送法も変わり地方でも広域化が可能になりましたし、インターネット等他のメディアが普及していくことも予想され、むしろ変わっていくのが当然でしょう。護送船団は終わり、テレビ局の淘汰・再編成に繋がっていかなければ意味がないでしょう。国を挙げての大事業が、結果としてテレビ離れを加速する事態に繋がりかねません。

第一回はここまでとします。第二回は地上デジタル放送の技術的メリット(デメリット)を採り上げる予定です。
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【2005/05/19 01:26】 メディア | トラックバック(0) | コメント(0) |
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