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改めて検証する岩隈問題

以前にも岩隈投手の所属問題についてはエントリーしましたが(関連記事参照)、改めて検証してみたいと思います。
まず、この問題が裁判になる可能性は無いでしょう。仮に裁判になったとしても、裁判所はプロ野球の問題は自分たちで解決するように促すでしょうから。根来コミッショナーも野球協約に則った解決を望んでいますし(つーかお前仕事しろ!)、野球協約に照らし合わせて発言の正当性を検証していきます。
まず、小池パリーグ会長の「1年間オリックスでプレーして、1年後に改めて球団と岩隈投手で移籍問題を話し合うこと」とする「強い要望」についてですが、パリーグ会長の発言としては著しく不適切な発言でしょう。所属問題を解決しなければいけないのは今ですから、問題を先送りしただけに過ぎません。1年後にオリックスが楽天入りを素直に認める訳は無いですから、またもめるだけのことです。

第109条 (譲渡の強要) ある選手が、他の球団と通謀して、自己の所属する球団にたいし、選手契約の譲渡を強要する場合、コミッショナーは、同選手にたいし50万円、また通謀した球団にたいし100万円の制裁金を科する。なお、このような選手とその球団との選手契約は、以後禁止される。
また、通謀に参与した球団役職員は、善意を挙証しない限り3年間その職務を停止される。
第48条 (違反条項) この協約の規定に違反する特約条項および統一契約書に記入されていない特約条項は無効とする。

この条項によりトレードを前提とした契約は出来ないこととなっています。つまり、1年後に楽天入りという契約は出来ない訳で、小池発言は協約に抵触しないギリギリの発言であると言えます。

次に、オリックス小泉社長の「岩隈投手は野球協約上でトレードされた選手である」という発言を検証します。もし、これが正論であれば、岩隈投手の発言は第109条に抵触する可能性がありますが…。

第105条 (選手契約の譲渡) 球団は、その保有する選手との現存する選手契約を参稼期間中、または保留期間中に、他の球団に譲渡することができる。

とあります。近鉄は消滅する球団であるので選手を保有することが出来ません。つまり、近鉄が選手契約を譲渡することは出来ない訳ですから、岩隈投手は野球協約上でトレードされた選手には当たらないと思います。
球団合併に関する協約には以下のものがあります。

第33条 (合併) この組織に参加する球団が他の球団と合併するときは、あらかじめ実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない。この場合、合併される球団に属する選手にかんしては、必要により第57条(連盟の応急措置)および第57条の2(選手の救済措置)の条項が準用される。
第36条の2 (連盟の保有) この組織に属する連盟の構成球団は参加資格を喪失した場合、決定の通告を送達した日から、地域権および選手契約権ならびにその保留権を喪失する。なおこれらの権利は応急措置としてその球団が所属した連盟が保有し、第57条(連盟の応急措置) および第57条の2(選手の救済措置)の条項を準用する。
第57条 (連盟の応急措置) ある球団の事情により、その球団の選手、監督、コーチの全員が、この協約の拘束力の外におかれるおそれがある場合、この組織の秩序維持のため、応急措置として所属連盟がこれ等の選手、監督ならびにコーチの全員を一時保有することができる。
このような事態が年度連盟選手権試合シーズン中に発生した場合には、シーズン終了の日から、またシーズン終了後に発生した場合には発生の日から30日間を超えて、前項の措置を継続してはならない。連盟が保有する期間における選手、監督、コーチならびにその他必要な範囲の職員の参稼報酬、手当および給料は連盟が負担する。
第1項の場合連盟会長は、前項の期間内に新しく球団保有者になろうとするものをさがし、その球団保有予定者と前記選手、監督、コーチならびに必要な範囲の職員との契約および雇傭につき斡旋を行なわなければならない。
前項の斡旋が失敗した場合、連盟会長は監督、コーチならびに職員を契約解除し、選手については第115条(ウエイバーの公示)の規定を準用して、ウエイバーの対象としなければならない。
なお、選手はこの措置に服従しなければならない。
*第33条(合併)、第36条の2(連盟の保有)
第57条の2 (選手の救済措置) 球団の合併、破産等もっぱら球団の事情によりその球団の支配下選手が一斉に契約を解除された場合、または前条による連盟会長の斡旋が失敗し同様の事態となった場合、もしくは斡旋が不調に終るおそれが大きい場合は、実行委員会およびオーナー会議の議決により、他の球団の支配下選手の数は前記議決で定められた期間80名以内に拡大され、契約解除された選手を可能な限り救済するものとする。

第36条の2を見ても分かるように、近鉄に選手契約権は無いですから、選手契約を譲渡することなど出来る訳がありません。元近鉄の選手に適用されるとすれば第57条、第57条の2になりますが、コミッショナーは全く関係ないのですね。コミッショナーの仕事は給料泥棒のようです。サッカーなら川淵キャプテンや鈴木チェアマンが事態の収拾を図ると思いますが…。
それはともかく、「強い要望」には協約上の強制力は全くありません。オリックスにしてみれば、磯部選手や中村選手の件についてはチーム事情によるものと言いたいのでしょう(合併しても手薄な投手陣ですから、岩隈投手だけは出したくないのが本音でしょう)。そうであるなら、全く根拠のない野球協約を持ち出さず、はっきりと岩隈投手が頼りだと言えばいいだけのことです。但し、問題の発端はオリックスと近鉄の合併を強行したことにあり、選手会との合意事項として「選手の意志を尊重する」と約束した訳ですから。

いずれにせよ、野球協約では解決できない事態ですし、円満解決はまずあり得ないですから、いい加減な「強い要望」では無く、オリックスか楽天かはっきりとした「裁定」を下す必要があると思います。ファンを取るのか、なれあいを取るのか、この「裁定」に今後のプロ野球がかかっています。


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コメント
こんにちは。TBありがとうございました。オリックスはプロ野球がファンの人気を前提としたプロスポーツであるということを根本から理解していない人たちによって運営されている球団だということがよくわかりますよね。金融がいかに上から顧客を見ているのか、そこの従業員が全く顧客のことを考えていないかをよく理解できる事例だと思います。それでもここの顧客でいる人というのは考えないといけないですよね。金融も上辺だけの合併ではなく社内の意識改革から構造改革をすべきです。プロ野球のオーナーを見てると日本経済のことまでよくわかってくるようです。またよろしくお願いします。
【2004/12/19 13:09】 URL | SEABLOG #L8Z52uj2[ 編集]
トラバ、ありがとうございました。
そうですねぇ、パ会長はちょっかいかけているみたいですが、確かに、コミッショナーって、一体・・
【2004/12/19 23:49】 URL | シボンヌ@江戸きさと #-[ 編集]
見やすくわかりやすい解説ですね。
私はそういうのが不得意なので早速記事上で紹介させて頂きました。
こういうことをおざなりにして小手先のファンサービスだけで自己満足しているようでは、
「もし野球がマイナースポーツに堕ちたとしても足を運んでくれるようなコアなファン」
をどんどん失うことになるのではないかと思います。
【2004/12/20 16:30】 URL | TBありがとうございました。 #-[ 編集]
し、失礼しました。↑の投稿、私です。(汗)
【2004/12/20 22:58】 URL | さいん #-[ 編集]
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