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携帯電話のビジネスモデル(3) - ナンバーポータビリティ制度の影響は? -

過去2回のエントリー(参考記事を参照して下さい)で携帯電話の料金について調べてきました。諸外国に比べて料金は高く、その要因の一つとして50%以上のシェアを誇るDoCoMoを脅かすほどのライバルがいないことがあります。

2006年から、キャリア変更を行っても電話番号が変わらないナンバーポータビリティ制度が始まる予定です。既に各社、ナンバーポータビリティを見据えた戦略も打ち出していますが、果たしてDoCoMoの1強は崩れるのでしょうか?ナンバーポータビリティ制度は既に外国では実施されていますので、その事例を踏まえ検証を行っていきます。
まず、ナンバーポータビリティを希望する人はどの位いるのでしょうか?

番号ポータビリティ、「無料なら利用したい」が約4割

このアンケートによると、キャリア変更の意向がある人は22.1%、意向は無い人は56.0%となっています。また、ナンバーポータビリティの料金は無料なら使いたいが39.4%と最も多く、以下「1000円程度」なら17.6%、「2000円程度」なら13.6%、「3000円程度」なら12.4%となっています。

機種変更の手数料ですら2100円ですから、キャリアを跨っての手数料となるともっと高くなるでしょう。幾らにするかは各社の戦略次第でしょうが(公正取引委員会からは既に談合禁止の警告が出されている)、今までの感覚だと楽に1万円を越えるでしょう。

乗り換え先のキャリアとしては、auが42.5%、DoCoMoは24.5%となっています。DoCoMoのシェアは50%を越えている事を考えれば、健闘していると言えます。仮に料金が低く抑えられ、キャリア変更する人が増えても、auはシェアを伸ばすでしょうが、DoCoMoのシェアが大幅に減ることはなさそうです。

既に行われている外国ではどうだったのでしょうか?海外での事例を見ていきます。

1. 韓国
韓国には、SKTelecom(SKT)、KTF、LGTelecom(LGT)の3社あります。韓国のナンバーポータビリティ(Mobile Number Portability: MNP)は2004年1月から始まりましたが、MNPだけでなく、識別番号の統一化という大きな目的があります。日本では、キャリアに関係なく090(080)ですが、韓国では、SKTが011、KTFが016、LGTが019と異なっている為、これを010に統一しようというものです。

韓国も1強(SKT)が50%を越えるシェアを握っていて、MNPはこの状況を打破しようという目的があります。MNPによりSKTが更にシェアを伸ばす事を防ぐ為、MNPはキャリア別に開始時期が異なっていて、2004年1月にまずSKTに対して導入されました(KTFは7月から、LGTは2005年1月から)。その結果、2003年末に54.5%であったSKTのシェアは2004年3月末には52.8%と僅かながら減少しています。

シェアがあまり変動しないのは、キャリアを変える際には端末変更が必要ですが、端末の値段が高いことがあります。韓国ではインセンティブ(販売奨励金)が禁止されている(建前らしいですが)ので端末の値段は日本より高く、50万ウォンを超える端末もあるようです。また、MNP導入後、各社サービス強化や料金値下げを行った為に、SKTに流れたユーザーも多かったようです。シェアの変動は少なくても、消費者にとっては大きなメリットがあったと言えるでしょう。

2. 香港
香港では、ヨーロッパ主要国と同様に1999年から導入されています。直後の状況は調べかねますが、やはり(乗り替えの為)携帯電話の解約率は上がったようです。但し、当時は普及率も低かったでしょうから、MNPがある状況でマーケットも成長してきたと言えるでしょう。

ヨーロッパや香港でMNPが早く導入されたのは、通話方式の違いが大きいでしょう。世界的に見れば、GSM(Global System for Mobile Communications)方式がスタンダードである訳ですが、アメリカ、韓国はCDMA(Code Division Multiple Access)方式(アメリカはGSMもありますが、CDMAはアメリカの軍事技術の応用ですからね)、日本はPDC(Personal Digital Cellular)方式(auは前からCDMA方式ですが)と非GSM圏ですので。

GSM方式では、SIMカードを使うことが前提となっています。電話番号やキャリアの情報は全てSIMカードに書き込まれている為、機種変更も新しい端末を買ってSIMカードを差し込むだけですし、SIMカードを複数持っていれば同じ端末を違うキャリアで使い分けることも可能です。回線契約と端末は分離している訳です。

一方、日本の場合、回線契約と端末はセット販売になっています。DoCoMoやVodafoneの3G携帯にはUSIM(Universal Subscriber Identity Module)が使われていますが(義務だからでしょう)、異なるキャリアで使用できないようにSIMロックがかけられています。個人的には、任意の端末を任意のキャリアで使えるようにして欲しいと思いますが、キャリア側が主導権を握りたいという思惑もあるでしょうし、キャリアによるサービスの違い、何より多額のインセンティブにより端末の値段を抑えている(インセンティブ無しなら、韓国のように5万円を超えるでしょう)という事情がありますから、難しいのかも知れません。

3. アメリカ
アメリカでは2003年11月から導入されました。業界は猛反対したようですが。アメリカの場合、携帯電話から携帯電話だけでなく、固定電話の番号を携帯電話に持っていけるところが大きく異なります。導入して1年で約850万人が利用し、そのうち固定電話を解約して携帯電話に移行したのは10%弱であったそうです。

アメリカでは、MNPは業界再編に繋がりました。MNP導入前はAT&T WirelessやSprint PCSが強かったですが、導入後はVerizon WirelessやCingular Wirelessがシェアを伸ばしています。AT&T WirelessはCingular Wirelessに買収されましたし。アメリカは国土が広いですから全域をカバーするのは難しく、買収にはエリア拡大という性格もあるようです。

MNPにかかる費用ですが、韓国では1100ウォン(約115円)、香港では40香港ドル(約545円)、ヨーロッパでは無料も多く、最も高いイギリスで30ポンド(約5966円)です。日本では総務省の試算によると13000~20000円になるらしいですが…。業界(特にDocoMoにとって)にメリットが無いからコストは全てユーザーにということなのですが、MNPは適正な競争を促す為に必要なものだと思いますので、競争するように指導して貰いたいものです。

現状だと、MNPによってシェアもさほど変動せず、料金も下がらないというユーザーに何ももたらさない結果に終わりそうです。それより業界が恐れているのは、新規参入でしょう。特にソフトバンクは大規模な宣伝と価格攻勢を仕掛けてくる可能性が強く、高料金を守りたい既存キャリアは戦々恐々でしょう。客単価が今の半分になっても十分にやっていけると思いますので、思い切った料金設定になるでしょう。

800MHz帯への参入では破れたソフトバンクですが、他の周波数帯なら認められるでしょう。日本の携帯電話事業に真の競争をもたらしてくれることを期待したいと思います。


<参考記事>
携帯電話のビジネスモデル(1) - 日本の料金は高いのか? -
携帯電話のビジネスモデル(2) - 料金が高いのはなぜ? -
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【2005/03/24 23:45】 政治・経済 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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