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受信料制度への理解とは?

NHKの2005年度予算を説明する番組が29日に放送されたようです。

NHK、特番で受信料への理解呼びかけ

橋本元一会長は「災害現場からいかに正確に早く情報を出すか、そして視聴率にとらわれない番組、安心して楽しめる娯楽番組は、受信料でなければできない」と言って受信料制度への理解を求めたそうですが、受信料制度への理解はこの程度で良いのでしょうか?
NHKの受信料問題と言えば不払いばかりがクローズアップされますが、それ以前に未契約世帯の問題もあります。

NHK 未契約800万世帯 対象の2割 不払い・保留の10倍超

罰則制度導入などの質問も相次いだようですが、以前のエントリーで触れたように積極的に火中の栗を拾うようなことはしないでしょう。

しかし、払う払わない以前にもっと大きな問題があるように思います。それは、受信料制度は本当に必要なのか?ということです。橋本会長が説明した程度の理由であれば、受信料制度は無くて良いように思います。受信料への理解と言うのであれば、受信料制度の是非を徹底討論する番組を企画すべきでしょう(但し、茶番は認めません)。

個人的には現状のままなら受信料制度は不要だと思います。受信料制度を存続させるのであれば、以下の3条件を満たすことが必要だと思います。

1. 予算は国会の承認を必要としない
受信料制度の一番の目的は、報道の自由を確保する為であると思います。予算を国に握られてしまうと、放送内容が制限されたり、予算を削って経営困難に陥れたりする事態も考えられる訳で、それを防ぐ為に安定した収入を確保し、政治の介入に対しても、安定した経営基盤をバックにそれに流されないようにするのが大義名分である筈です。

ところが、NHKの場合、予算は国会の承認が必要です。番組改編問題がありましたが、予算を国会に握られてしまうと、政治家に対して毅然とした態度をとりにくいのは事実でしょう。NHKとの対比でよくイギリスのBBCが取り上げられますが、BBCの場合、政府と真っ向から対立することも珍しくないですから。

日本の場合、記者クラブ制度がありますから、ただでさえ独自の取材などは制限されます。政治とメディアの間には緊張関係が必要であると思いますが、記者クラブに加えて予算は国会の承認が必要というのではそれは望むべきも無いでしょう。社会の木鐸として機能する為には、時には政府に対して苦言を呈すことも必要だと思いますが、その為には政治と独立させることが不可欠でしょう。

とは言え、何の監視もなく好き放題ではエビ様の退職金が100億円なんてことも可能になってしまいます。やはり、NHKを監視する役割を果たすNHKと独立した第三者機関を設置し、その責務を果たすようにすべきだと思います。

2. 定期的に制度の見直しを行う
イギリスのBBCの場合、BBCの運営方法や権限を定めたイギリス王室の「設立許可状」というのがあり、10年ごとに更新されることになっています。現在、見直し作業の実施中ですが、2006年から10年間は受信料制度を存続させることになりました。他に、中立的運営を目指す為、内部の「理事会(経営委員会)」を廃止し、「信託委員会」と「執行委員会」の2機関を監督機関として設置することになりました。

イギリスの場合、受信料(受信許可料)を支払わないと罰金ですし、テレビを買う際にも受信料支払いの証明が必要(初めての場合は支払い申し込みがセット)です。人口の約98%が支払っているのは強制力があるからというのもあるでしょうが、BBCに対する信頼があると言えるでしょう。

BBCの経営委員会は内部組織とは言え、NHKのそれとは異なりエビ様の私物ではなく十分に機能していると思うのですが、それでも改革が必要とされている訳です。政治との独立の問題以外においても、放送を取り巻く環境も時代と共に変わる訳で、それに応じた制度の変更は当然のことであると思います。

NHK及び政府が検討しようとしているのは受信料をいかにむしり取るかばかりで、NHKのあり方を検討しようという気はさらさら無いようです。「金さえ貰えばOK」と言うのは政治家や官僚らしい発想ではありますが、視聴者の信頼の無いテレビ局を国営放送として運営する必要性は国民にとっても政治家にとっても無いでしょう。NHKの一連の不祥事だけが受信料不払いの原因ではないと思います。

3. 番組の質の問題
何でもバラエティ化してしまう民放と比較すれば、NHKには良質な番組が多いでしょう。スポーツ番組にしても、アナウンサーと解説者というサポーター2人が騒ぎまくることも無いですし(他にもあるが、こちらのエントリー参照)。

受信料という安定した収入がある以上視聴率を気にする必要は無い筈ですが、最近のNHKを見ていると視聴率を意識しすぎているように思います。わざと他局の番組にぶつけてみたり、人気番組の二番煎じを狙ったり、大衆受けを狙いすぎたり。

スポーツで言えば、以前はオリンピックなどで日本ではあまり認知されていない競技の中継もやっていたと思うのですが、最近はそれをカットして頑張れニッポン!のようなコーナーに差し替えてしまったり。そういうのは民放でお腹いっぱいな訳で、民放と同じことを求めている訳ではありません。

NHKと言えば「報道のNHK」と言われていますが、JR福知山線の電車事故報道を見る限り、民放と大差無いと思います。災害現場からいかに正確に早く情報を出すかが問われるのではなく、早いに越したことはないですが正確で必要な情報を提供することが求められる訳で、現場から延々と中継を行うことなど求められていないでしょう。災害発生時に24時間体制で情報を流すことも行っていますが、マルチメディア、マルチチャンネル化がどんどん進む中、NHKで無ければできないことは無い訳で、災害報道を受信料制度の拠り所にするのは無理があると思います。

以上、色々書いてきましたが、BBCを褒めちぎるのが目的ではないので、BBCの問題点についても触れておきます。結局、NHKもBBCも国営放送なので、似たような問題を抱えています。

番組の質に関しては、BBCもNHKと同じ傾向に流れているようです。他には無駄な投資をしている(NHKもそうですが、BBCもデジタル放送に熱心なようです)、規模の大きさを武器に民放を圧迫している(日本の場合、民放が駄目すぎるとも言えるが)等、安定した受信料収入がもたらす弊害と言えるでしょう。

BBCの場合、経営委員会の人選なども政府が決定しているので、NHK以上に政治介入の危険性は高いのですが、それでも政府と対立することが多いのは、やはり文化や国民性の違いなのでしょう。

罰則規定の話も出ていますが、支払い義務化もNHK民営化も民放の激しい反発にあうことは必至なので、一筋縄では行かないでしょう。今の延長線上での対策を考えることになるでしょうが、受信料は信頼によって支払われていることを再認識すべきでしょう。過去の不祥事の問題だけでなく、受信料制度を含めたNHKの在り方をきちんと議論した上でないと、本当の信頼は回復できないと思います。


<参考記事>
エビジョンイル改め海老沢上皇
スポーツ中継のあり方を考える
夜が明ければ朝が来る - JR福知山線の電車事故報道に思うこと -
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【2005/04/30 07:33】 メディア | トラックバック(3) | コメント(2) |
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コメント
小泉総理が、NHK改革は、必要とのコメントを出したが、
報道の自由に、制限を掛けたい日本政府が、今後、
どのような改革を打ち出すのか、ちょっと心配である。
報道機関に恩を売り、不都合にいつでも蓋をすることが
出来るように改革されると、国民にとって、大きなマイナスだが、
大丈夫だろうか?あなたは、どう思いますか?
【2005/12/24 12:08】 URL | #-[ 編集]
遅くなりましたが、コメントありがとうございました。

NHK改革の議論も活発になってきましたが、スクランブル化が有力のようです。スクランブル化だと受信料制度は残りますから、民放ではなく公共放送の形態になるでしょう。

個人的には民放化も検討すべきだと思いますが、スクランブル化が優勢なのはやはり公共放送を残したいという思惑があるのだと思います。そう言った意味では報道に対して影響力を残したいという気持ちは強いのでしょう。

ただ、NHK改革はNHK改革にとどまり、報道機関全てに影響を及ぼす可能性は少ないと思います。今でも勝ち馬に乗るマスコミをうまく利用できていますから、これ以上制限をかけようとするのは慎重論を誘発するだけで政治家にとっても都合の良いことではないと思います。
【2005/12/27 01:02】 URL | ノーリーズン #-[ 編集]
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